太秦 広隆寺

   木造弥勒菩薩半跏像は、国宝第一号に指定された有名な仏像
   です。

   右手をそっと頬に近づけて思索しながら微笑んでいる感じの様子
   が不思議な雰囲気を出しています。

   この地域に勢力を持っていた秦氏が建立したお寺で、聖徳太子に
   も縁があるとされる京都最古のお寺です。

   この後ろには太秦映画村があります。

        


    『更級日記』   菅原孝標のむすめ

     かくのみ思ひくんじたるを、心もなぐさめむと心苦しがりて、
     母、物語など求めて見せたまふに、げにおのづからなぐ
     さみゆく。紫のゆかりを見て、つづきの見まほしくおぼゆれ
     ど、人かたらひなどもえせず、たれもいまだ都なれぬほど
     にてえ見つけず。いみじく心もとなく、ゆかしくおぼゆるまま
     に、「この源氏の物語、一の巻よりしてみな見せたまへ。」
     と心のうちに祈る。親の太秦にこもりたまへるにも、ことご
     となくこの事を申して、出でむままにこの物語見はてむと
     思へど見得ず。

     筆者は広隆寺に参籠した際にも、『源氏物語』を読みたいと、
     ただそれだけを願ったとあります。

                           Good Study 良学舎