三樹荘(旧・柳宗悦邸)
柳宗悦が住んでいた別荘跡です。現在は、個人のお宅ですから、
見学はできませんし、ご迷惑がかからないように外をそっと訪れる
のみです。
天神坂の椿
三樹荘の横にある天神坂は小さな石段の坂ですが、とても美しい坂です。
柳宗悦という人は、宗教学者・思想家です。我孫子で生活して
いた時期がありました。
柳は雑誌「白樺」に参加し、後に、民藝運動を起こします。
我孫子に志賀直哉や武者小路実篤が来るきっかけを作ったのも
柳でした。
朝鮮・中国旅行で知り合い、親友になった陶芸家のバーナード・
リーチも窯を作っていたそうです。
柳宗悦 『雑器の美』
「 名も無き作であるから、私たちは作者の歴史を綴ることが出来ぬ。
作る者は優れた少数の個人ではなく、あの凡夫と呼ばれる衆生
である。あの驚くべき器の美が民衆より生れたとは何を語るであ
ろう。かつて美は凡ての共有であって、個人の所有ではなかった。
私たちは民族の名において、時代の名において、その労作を記念
せねばならぬ。知に劣る民衆も、作においては秀でた民衆である。
今は個人のみ活きて時代は沈む。しかしかつては時代が活き、
個人は自らを匿した。わずかな作者から美が出るのではなく、美の
中に作者が活きた。雑器は民藝である。 」
岩波文庫「民藝四十年」収録 (1926年)
柳宗悦が開いた日本民藝館の記事
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