利根川

   「坂東太郎」と呼ばれます。「筑紫次郎」の筑後川、「四国三郎」の
  吉野川たちの兄貴分ということです。

  長さ                   流域面積
      1位 信濃川 367km          1位 利根川
      2位 利根川 322km          2位 石狩川
      3位 石狩川 268km          3位 信濃川
      4位 手塩川 256km          4位 北上川
      5位 北上川 249km          5位 木曾川

           利根川ダム統合管理事務所ホームページ
           国土交通省河川局ホームページを参考にしました。
            ↑クイズなどもあって楽しめます。



   ★お薦めの本の紹介★

   小出博 『利根川と淀川』 中公新書


     東葛飾地域に関係の深い利根川や江戸川について、非常に興味深い
    記述があります。

     江戸に入った徳川家康が、暴れ川である利根川の洪水を防ぐために
    「瀬替・東遷」を行ったという通説があります。それに対して、著者は、
    実際の江戸時代の河川工事は水運を主眼とした河川工事だったという
    説を展開します。

     江戸時代に行われた小貝川と鬼怒川の分離工事も、利根川水運という
    観点から説明されます。小貝川と鬼怒川は昔は合流してから利根川に流
    れ込んでいたそうです。しかし、江戸時代、鬼怒川を分流して小貝川よりも
    上流で利根川に合流させる工事が行われました。それも、船の通行のた
    めに利根川の水量を確保することが目的であったというのです。
    
     更に、利根川の「瀬替・東遷」物語は、足尾鉱毒事件とも関係していたの
    ではないかと著者は言います。明治政府は、利根川東遷事業を強行するの
    ですが、その際、明治政府は、利根川の東遷事業は鉱毒対策のためでは
    なく、江戸時代からの事業を継続しているだけだと主張したというのです。


     本書の全体を通じて、東の利根川と西の淀川の話が中心になって展開さ
    れますが、ただ単に比較ということではなく、「川」から見た文化論・文明論と
    も言える内容で、現代社会を見つめなおす新たな視点を提示してくれると
    思います。